
日蓮正宗
筑波山
本證寺
令和八年八月度 御報恩御講

本日拝読の『中興入道御消息』は塔婆に関する化儀と功徳について、大聖人様の御指南を伝えた御書として有名です。
拝読した前の箇所には、塔婆の功徳について、
「むすめ御前の十三年に、丈六のそとばをたてゝ、其の面に南無妙法蓮華経の七字を顕はしてをはしませば、北風吹けば南海のいろくづ、其の風にあたりて大海の苦をはなれ、東風きたれば西山の鳥鹿、其の風を身にふれて畜生道をまぬかれて都率の内院に生まれん」
と仰せになっています。
御文の内容は「亡くなったお嬢さんの十三回忌にあたり、面に南無妙法蓮華経の題目が顕わされた塔婆を建立すれば、北風がその塔婆に触れて、南海に住む魚がその風に触れると大海の苦を離れ成仏することができる。また東から吹いてくる風が塔婆に触れて、西の山まで到達すると、その山に住む鳥や鹿などの動物たちはその風を身に受けて、塔婆の功徳によって畜生道の苦しみから逃れ、天上世界に生まれ変わることができる」との意味です。
更にこの続きには、
「況んやかのそとばに随喜をなし、手をふれ眼に見まいらせ候人類をや」
と仰せられており、妙法蓮華経と認められた塔婆に触れた風に当たった魚や鳥・鹿などの獣ですら、畜生道をまぬがれることができるのであるから、塔婆を建立して、随喜して手に触れ、眼に見る人々は、計り知れない大きな功徳を得ることができると仰せられ、塔婆供養の功徳をお示しになられています。
また、この塔婆について『草木成仏口決』に、
「我等衆生死する時塔婆を立て開眼供養するは、死の成仏にして草木成仏なり」
と示されています。
塔婆供養は自らお題目を唱えることのできない故人や感情を持たない非情の草木を、御本尊様の御威光と題目の力によって成仏させるものでもあります。
また、私達が生きている時の成仏が、自身の日々の勤行・唱題や折伏による功徳を基本とする一方で、死後の成仏は、残された遺族が塔婆を建立して、回向していくことによると仰せです。
故人や先祖に対して真の孝養を尽くしていくには、まず第一に私達が御本尊様を心から信じて、一生懸命に信心修行し功徳を積み、その功徳をもって亡くなった人に回向をすることが大事です。
本宗においては常盆・常彼岸との言葉のとおり、日々の生活の中に報恩感謝の気持ちや追善供養の気持ちを忘れることなく精進していくことが肝要です。
お盆の月に当たり塔婆供養の功徳と大事さを再確認して、先祖供養と共に毎日の信心修行・そして折伏に精進してまいりましょう。